「三伏日(さんぷくび)」とは、中国の暦法に基づき、一年の中で最も暑さが厳しくなる時期を指します。 これは「初伏・中伏・末伏」の3つに分かれ、夏至の後の第三の庚の日から始まり、立秋の後の庚の日までが該当します。
📅 2025年の三伏日
この期間は、太陽の力が最も強く、「陽気」が自然界に満ちる時期とされます。東洋医学では、この旺盛な陽気を上手に取り入れることが、健康を保つための鍵とされてきました。
三伏日には、「三伏灸(さんぷくきゅう)」という特別なお灸療法が行われます。 これは、体の陽気を補い、体内にたまった寒さや湿気を外に出すことで、体質を根本から改善する伝統的な養生法です。 三伏灸では、免疫や消化に関係するツボにお灸をすえます。慢性の冷え・虚弱・呼吸器の不調・消化不良・婦人科症状などに効果があるとされ、現代でも多くの人に取り入れられています。
昔の中国では、暑い夏を元気に乗り切るために、以下のような養生法が行われていました。
つまり、自然のリズムに合わせた生活こそが、最大の養生とされていたのです。
現代はエアコンや冷たい飲み物、ストレスや不規則な生活で「陽気」を消耗しやすい時代です。 だからこそ、三伏日という自然のエネルギーが満ちる時期に、三伏灸で体の陽気を補うことはとても理にかなっています。 「夏こそ温める」―― この東洋医学の智慧を、ぜひあなたの暮らしにも取り入れてみませんか?
毎年、冬になると手足が冷えたり、関節の痛みが増したり、咳や鼻炎がひどくなる… そんな「寒さに弱い体質」に、心当たりはありませんか? 東洋医学には、古くから「冬病夏治(とうびょうかち)」という考え方があります。 これは、冬に悪化しやすい病気を、夏の陽気を活かして整えていこうとする季節の知恵です。
自然界と同じように、私たちの体にも「陰」と「陽」のリズムがあります。 夏は陽気が最も盛んになる時期。体表の気が開き、巡りが良くなり、老廃物や冷えが抜けやすくなります。 このとき、冬にたまりやすい冷えや滞りを外に出すチャンスが訪れるのです。 東洋医学では、「病を治すだけでなく、季節に応じて整えること」が健康への近道と考えられてきました。
冬になると悪化しやすい病を、東洋医学では「冬病」と呼びます。 たとえば…
冬になると悪化しやすい病を、東洋医学では「冬病」と呼びます。 たとえば…
自然の流れに逆らわず、季節の力を借りて自分の体と向き合う。 それが東洋医学の基本的な考え方です。 夏にしっかりと陽気を補い、めぐりを整えておくこと。 それは、冬を健やかに乗り越えるための準備であり、自分の体を根本から見直すきっかけにもなります。
身体の声に、季節の声を重ねて、一年をもっと快適に過ごしてみませんか?